• 2023-10-09

インフルエンザの流行

8月からインフルエンザが流行しています。新型コロナだけでなくインフルエンザで学級閉鎖となった学校もありました。下のグラフは、過去10年間のインフルエンザ感染者数です。

国立感染症研究所

赤い丸のグラフが2023年です。皆様ご存知のとおり、インフルエンザは通常冬に流行します。グラフを見ると一目瞭然ですが、この時期にインフルエンザを見ることはほとんどありません。このグラフでもう一つ分かることは、新型コロナウイルス流行に伴い、2020年3月ころから2022年までインフルエンザはほとんど流行しませんでした。昨年まで姫路赤十字病院で勤務しており、例年だと冬にはインフルエンザによる高熱やけいれんで救急外来受診や入院が多く見られていました。ところが、新型コロナウイルスの流行が始まってからは、インフルエンザでの救急受診や入院がほとんどなく、インフルエンザの患者さんを診察する機会がほとんどありませんでした。全員がマスクをするユニバーサルマスクや体調悪い人が休むといったことでインフルエンザはほとんど絶滅しかかっていました。一方新型コロナはその間に何度も流行を繰り返したのはご存知のとおりです。新型コロナがインフルエンザ並になったから特別視する必要がないと言う人たちがいますが、新型コロナの感染力はインフルエンザより強いことが非常にやっかいです。感染力もインフルエンザ並になってくれれば良いのですが。

話をインフルエンザに戻します。2022年までほとんど流行しませんでしたが、2023年は2月頃にも流行しました。インフルエンザの性質が変わった訳ではなく、我々の生活様式が変わったためです。マスクをする人が減ったり、体調悪くても外出(出勤、登校)したりする人が増えたことで、徐々にインフルエンザも流行するようになってきました。そうは言っても例年冬の流行と比べるとまだまだ患者数が少ないことはグラフを見ると分かります。今の流行が一旦落ち着くのか、それともこのまま流行しながら冬を迎えるのかは分かりませんが、おそらく今年の冬は少なくともコロナ前と同等の流行が見られるのではないかと思います。インフルエンザは予防接種をすることで、およそ半分程度感染を防ぐことができます。本格的な流行前に是非御検討下さい。

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