• 2024-03-12

麻疹(はしか)にご注意下さい

2月から麻疹(はしか)の感染者が発生しています。3月になり兵庫県でも感染者が出ています。麻疹は、麻疹ウイルスによる感染症で、感染力が非常に強いウイルスです。体育館の中に1人でも麻疹患者がいると、体育館の中にいる免疫を持たない人のほとんどが感染してしまうと言われています。感染してしまっても特効薬はありません。乳幼児は重症化しやすく、亡くなったり後遺症が残ったりする可能性があります。妊娠中の女性も重症化しやすく、胎児も危険にさらされます。

日本では2015年に麻疹は撲滅されましたが、海外ではまだ麻疹が発生しているため、海外渡航時に感染することがあります。WHOによると、2023年には世界で30万人以上の麻疹患者が報告されています。

WHO

海外で麻疹に感染した人から、同じ飛行機や電車に乗った人が感染し、その人達がさらに日本各地で感染を広げてしまいますはしか感染者相次ぐ 海外から帰国や観光での入国者から感染か | NHK | 医療・健康。すでに、感染が広がりつつあるかもしれません。新型コロナ感染症で海外渡航者が減ったこともあり、ここ数年国内の感染者数は少なかったですが、2019年には744名もの麻疹患者が発生していました。海外渡航の増加に伴い、昨年は増加傾向がみられました。今年はさらに増加する恐れがあります。

国立感染症研究所

もう一つ心配な点が、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、麻疹を含む定期予防接種率が低下していることです。麻疹は、1回の予防接種で95%の人に免疫がつき、2回の接種で99%以上の人に免疫がつきます001093670.pdf (mhlw.go.jp)。予防接種率の低下は世界的なことで、麻疹患者の増加は世界的に心配されていますGlobal measles threat continues to grow as another year passes with millions of children unvaccinated (who.int)

また、麻疹ワクチンの接種率が95%以上ないと、麻疹が発生した場合に流行を食い止めることができません。予防接種未接種あるいは1回しか接種していない乳幼児は麻疹にかかる恐れがあります。1歳を過ぎてまだ接種できていないお子さんや2回目を接種していない年長さんは接種を忘れないようにしましょう。特に年長さんの定期予防接種は3月末までで残りわずかですのでお早めに接種をしましょう。

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