• 2024-08-25

マイコプラズマが流行しています

マイコプラズマ定点当たり報告数 国立感染症研究所

マイコプラズマが流行しています。近年では2016年以来の流行です。新型コロナ感染症が世界中に広がった2020年度途中から、マイコプラズマはほとんど流行しませんでした。実際、昨年までの日赤勤務時代、マイコプラマの患者さんを全く診ることがありませんでした。マスクや換気といった、基本的な感染対策でほとんど感染することがなかったのです。感染対策が徐々にゆるんできたため、マイコプラズマだけでなく様々な感染症が流行するようになりました。

マイコプラズマは、細菌の一種です。潜伏期間は2-3週間と長いです。症状は、典型的には発熱で始まり、数日後から咳が出現します。初期は痰が出ず、乾いた咳のことが多いです。咳の症状が強く長引くのが特徴で、1か月程度続くことがあります。その他の症状として、発疹が出ることもあります。

検査は、のどの奥を綿棒で拭って行う抗原検査が一般的に行われています。結果が15分程で分かりますが、感度が低いというのが問題です。そのため、検査にばかり頼らず、症状や経過から総合的に診断する必要があります。

マイコプラズマは、他の感染症とは異なり、乳幼児では比較的悪化しにくく、かぜ程度のことが多いです。一方、小学生や中学生で肺炎となることがあります。これは、マイコプラズマは菌そのものの影響だけでなく、菌をやっつけようとする免疫応答が強く働くことで、肺炎が悪化することが原因です。とはいえ、自然に治ることも多い病気ですので、熱が出たらすぐ検査する必要はありません。お書きしたように、幼児期までは悪化しにくいため、あまり検査はしません。小学生以上で発熱が続き、咳が出てくる様な場合などで考慮します。

治療は、抗菌薬です。抗原検査が陽性の場合や、抗原検査は感度が低いため疑わしい場合にも抗菌薬を使用します。マイコプラズマは一部の抗菌薬しか効きません。通常マクロライド系という抗菌薬を飲みます。自然治癒することも多いため、熱が出たからあわてて抗菌薬を飲む必要はありません。

たかみこどもクリニック 079-226-3200 ホームページ