• 2026-04-09

てんかんと修学旅行

今回は、修学旅行についてお話しします。てんかんのお子さんは参加できるでしょうか?・・・参加は、可能です。実際、私がみているお子さん達で修学旅行に参加しなかったことはほとんど記憶にありません。但し、事前に学校や担当医とどの様に参加するか相談をしておく必要があります。注意点など記載いたしますが、てんかんの状態や旅行の行程、学校の体制、担当医の判断など、人によって様々です。以下の内容には、個人的な見解も含まれ、絶対的なものではありません。

てんかんの状態

【発作が起こる可能性】①ほとんどない:1年以上起こっていない ②少ない:年に数回 ③多い:毎月ある

【発作の起きるタイミング】睡眠中/起きているとき

【発作の症状】①意識消失し倒れる(前兆あり/なし) ②意識は低下するが倒れない ③意識はある(感覚症状のみ/運動症状あり) 

【重積発作(長時間の発作)】起こったことがある/ない

発作の症状が強い、頻度が多い人ほど、より綿密な計画が必要となります。

旅行中の注意

【旅行中の内服】普段と環境が異なるため、抗てんかん発作薬の飲み忘れがないように注意が必要です。普段から声かけしなくても内服できていますか?普段は自分から飲んでいる場合も普段とは違うためついつい忘れてしまうかもしれません。担任の先生や養護教諭に内服の確認、声かけをお願いされていることが多いです。

【睡眠】極端な睡眠不足や疲労は普段よりてんかん発作を起こりやすくします。できれば早めに寝るように心がけましょう。

【入浴】入浴中に発作が起こることがあるため注意が必要です。湯船で発作が起こると溺れる可能性があります。部屋で1人ずつ入る場合はシャワーのみにします。大浴場の場合もシャワーのみとするか、湯船に入る場合は学校や担当医と相談しましょう。

【アクティビティー】①マリンスポーツ(シュノーケリング、バナナボートなど):日中、起きているときに意識が低下するような発作が起こる方は、マリンスポーツや海に入ることは危険性があります。川でのラフティングなども同様です。海は学校プールと違い、発作が起こった場合にすぐに救助しにくく危険性が高いからです。観光や物作りなど別行動にした方が良いでしょう。 ②スキー/スノーボード:日中、起きているときに発作が起こる方は、意識を失うとリフトや崖からの転落などの危険性があります。安全なところでのみ行動するか、観光など別行動とするか相談しましょう。 ③自転車:同様に意識が低下する可能性がある場合は危険です。④遊園地/アスレチックなど:担当医と相談しましょう

【海外旅行】高校ではしばしば海外への修学旅行もあります。通常、参加は可能ですが、追加の注意点をあげておきます。①時差:内服のタイミングを事前に担当医に確認しておきましょう。 ②海外旅行保険:修学旅行であれば大丈夫かもしれませんが、海外でてんかん発作が起こった場合に医療保険が対応しているか確認しておきましょう。日本に住んでいると医療費が安すぎるため意識しませんが、海外で救急受診するとびっくりするような金額が請求される可能性があります。海外旅行保険は、持病には対応しないものもあるため、確認しておくことをお勧めします。 ③診断書(英語):日本であれば発作が起こっても大抵何とかなりますが、海外でてんかん発作が起こると色々と大変です。英語の診断書を持っていた方が安心です。旅行会社や航空会社から求められることもあります。

【さいごに】学校の先生方には、多くのご理解、ご協力をいただき、毎年多くのてんかん患者さんが修学旅行に参加されています。ほとんどの方はてんかん発作を起こすこともありません。修学旅行後の外来で「楽しかった」と聞くと、うれしく思います。てんかんがあっても皆と同じように活動、参加できたという経験は、お子さんにとって非常に大きな財産となります。逆に、てんかんのせいで必要以上に活動を制限されることは大きなスティグマとして心に悪影響を与えてしまいます。学校の先生方で、ご不安な点がありましたら、是非担当医にご連絡・ご相談をお願いいたします。学校、病院、ご本人・ご家族が協力して、より安全に楽しく修学旅行に参加できればと考えています。

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