熱性けいれんについて

熱性けいれんのイメージ画像

熱性けいれんとは、通常38℃以上の発熱に伴って起こる発作性の症状をきたす病気です。
けいれんの症状が見られることが多いものの、けいれんが一切なく一点を見つめ反応がないといった症状が見られることもあります。
そのため病名としては「熱性発作」の方が適切なのですが、長い間「熱性けいれん」という病名が使用されてきたため今も使用され続けています。

発熱以外に発作を起こす原因がある場合は、熱性けいれんではありません。
発熱時に発作を起こした場合、少数ですが低血糖、細菌性髄膜炎、急性脳症、急性脳炎などが原因のこともあります。

また、てんかんの方が発熱時に発作を起こしても、熱性けいれんではありません。

年齢

通常、生後6か月から5歳までの乳幼児期に起こります。
6歳以上では、頻度は減るものの起こることがあります。
インフルエンザや新型コロナ感染症では、10歳前後でもけいれんすることがあります。

熱性けいれんの症状

  • 全身をつっぱる、ガクガクさせる
  • 半身けいれんなど左右差のあるけいれん
  • 一点を見つめるまたは眼球が上や横を向き、意識がないがけいれんを伴わない

1回の発熱期間に発作は1回だけのことが多いですが、2回以上反復することもあります。

熱性けいれんの持続時間

5分以内におさまることが多いですが、長く続く場合もあります。
5分以内に自然におさまらない場合、一般に救急要請を考慮します。

熱性けいれんの起こるタイミング

熱性けいれんのうち約90%は、発熱から24時間以内に起こります。
また、発作が起こりやすい人では、発熱に気付く前に発作が起こることもあります。

後遺症

基本的に熱性けいれんで後遺症はありません。
30分を越えるような長時間の発作は脳へのダメージが起こる可能性があるため注意が必要です。

熱性けいれんの予防

熱性けいれんがあっても、一生に1回または2回の人が多いため、通常は予防を必要とすることはありません。
解熱剤の使用に関しては、熱性けいれんを起こりにくくすることはなく、一方ではっきりとした予防効果もありません。
必要に応じ使用してかまいません。

熱性けいれんが起こりやすい、または長時間の発作を起こしたことがあるお子さんでは、予防を行うことがあります。
発熱時早期に発作予防の坐薬を使用することで発作が起こりにくくなります。担当医師にご相談下さい。

予防接種

熱性けいれんのあったお子さんは、全ての予防接種を受けることができます。
熱性けいれんが起こりやすいお子さんでは、予防接種副反応による発熱でも発作が起こる可能性があります。
熱性けいれんの予防を行っている様なお子さんは事前に担当医師にご相談下さい。

予防接種で得られるメリットは大きいため、できるだけ全ての予防接種を必要以上に遅れることなく接種することが重要です。

注意する薬

抗ヒスタミン薬
(抗アレルギー薬)
抗ヒスタミン薬とは、アレルギー反応を抑える薬です。
アレルギー性鼻炎などの治療に使用されます。
熱性けいれんが起こったお子さんのうち、抗ヒスタミン薬を飲んでいたお子さんは、抗ヒスタミン薬を飲んでいなかったお子さんより、発熱から発作までに時間が短く、発作の持続時間が長かったという複数の報告があり、熱性けいれんとの関連が疑われています。
風邪などの際に病院で鼻水の薬として処方されていることがありますが、抗ヒスタミン薬は風邪に対して効果はないか、悪化させるリスクもあるため、安易な使用は避けるべきです。
テオフィリン
喘息治療薬です。熱性けいれんや急性脳症への影響が疑われる様になったことと、吸入ステロイド薬の普及により近年ほとんど使用されなくなりました。